〈叱る依存〉がとまらない 村中直人 (著)

〈叱る依存〉がとまらない 村中直人 (著)

内容:

 本書では、叱る行為の本質や影響について多くの観点が提示されています。叱る行為は、その場の正義を決定する権限を持つ側から行われるものであり、目的は相手を変えることにあります。しかし、この行為は相手にネガティブな感情体験を与え、コントロールすることを目指すものであり、その効果は叱られる側にはないと指摘しています。むしろ、叱る行為が強くなるにつれて、叱られる側の影響も大きくなり、長期的なストレスを引き起こす可能性があります。「叱る」ではなく、「説明する」や「説得する」といった方法で相手に伝えることはできるはず。叱る行為について捉え直すことができる1冊です。

 

目次:
はじめに
 Part 1 「叱る」とはなにか
  1 なぜ人は「叱る」のか?
  2 「叱る」の科学――内側のメカニズムに目を向ける

 Part 2 「叱る」に依存する
  3 叱らずにいられなくなる人たち
  4 「叱らずにいられない」は依存症に似ている
  5 虐待・DV・ハラスメントとのあいだにある低くて薄い壁

 Part 3 〈叱る依存〉は社会の病
  6 なぜ厳罰主義は根強く支持されるのか?
  7 「理不尽に耐える」は美徳なのか?
  8 過ちからの立ち直りが許されないのはなぜか?

 Part 4 〈叱る依存〉におちいらないために
  9 「叱る」を手放すあとがき/〈叱る依存〉をより深く考えるためのブックリスト/注 

ニューロダバーシティの教科書 多様性尊重社会へのキーワード 村中直人 (著)

ニューロダバーシティの教科書 多様性尊重社会へのキーワード 村中直人 (著)

内容:

 「ニューロダイバーシティ」とは、脳や神経に関する多様性を尊重し、それを社会で活かす考え方です。この概念は、自閉症発達障害を含むさまざまな個人の特性を、能力や優劣ではなく、多様性として捉えることを提唱しています。本書は、この視点を理解するための入門書であり、支援者や教育者だけでなく、当事者やその家族、そして多様性を尊重する社会の実現に関心のあるすべての人に役立つ情報を提供しています。

 

目次:

はじめに

第1部 ニューロダイバーシティとは何か?

 第1章 ニューロダイバーシティという言葉の基礎知識

 第2章 ニューロダイバーシティに関する議論,批判

第2部 ニューロダイバーシティ視点の人間理解

 第3章 脳・神経の仕組みが異なるということの臨床的理解

 第4章 脳・神経の違いが生む異なる体験と文化

第3部 ニューロダイバーシティの諸側面

 第5章 『教育』×『ニューロダイバーシティ

 第6章 『働く』×『ニューロダイバーシティ

 第7章 『家族』×『ニューロダイバーシティ

おわりに 対人支援者,教育者がニューロダイバーシティを学ぶ意味

あとがき

 

資料編 ~ 必読書籍集 ~

本田秀夫『学校の中の発達障害

学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

  1. 内容説明
    「多数派」「標準」「友達」に合わせなくてもいい―これは、「発達障害の子に世間一般の基準に合わせることを求めて、無理をさせてはいけない」ということを意図しています。とはいえ、学校とは、集団活動が多く、そのためのルールもいろいろと設定されています。まさに「多数派」「標準」「友達」に合わせるべき最たるところ。では、発達障害の子は、いったいどうやって学校と折り合いをつけていけばいいのでしょうか?
  2. 目次
    第1章 親と先生ができること
    第2章 学校の中の発達障害
    第3章 学力と知的障害・学習障害
    第4章 特別な場での教育―学校・学級の選び方
    第5章 これからの学校教育

 

本田秀夫『子どもの発達障害

SB新書<br> 子どもの発達障害―子育てで大切なこと、やってはいけないこと

  1. 内容説明
    ほかの子とは成長のペースが違う発達障害の子どもたち。定型発達の子どもに近づける必要はありませんし、その子なりのペースで大人になっていけばいいのです。育て方のポイントは3つ、「多数派に合わせない」「平均値に合わせない」「友達に合わせない」―本書では、幼児期から思春期にさしかかる時期までの育て方を解説します。臨床経験30年以上の児童精神科医が伝える「発達障害の子育て」の決定版!
  2. 目次
    第1章 発達障害の子育てを考える8つのクイズ
    第2章 あらためて、発達障害とは?
    第3章 発達障害の子のほめ方・叱り方
    第4章 発達障害の子の暮らし方 場面別のポイント
    第5章 あらためて、発達障害の子の育て方とは?

 

本田秀夫『発達障害

  1. 内容説明
    発達障害にはASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの種類がありますが、じつはそれらの種類のいくつかが重複している人が、かなり多くいらっしゃいます。そうした重複例はかなり多いにもかかわらず、適切に理解され、対応されていないケースがよくみられるのです。
    自閉スペクトラム症には「対人関係が苦手」で「こだわりが強い」という特徴があります。そしてADHDには「気が散りやすい」「じっとしていられない」という特徴がみられます。
    「こだわりが強いこと」と「気が散りやすいこと」は、一見するとまじりあわない特徴のように思われます。しかし、それらが重複して現れるケースがよくあります。そして、一見正反対の特徴だからこそ、それらが重複すると、複雑な現れ方をして、十分に理解されなくなってしまうのです。
    こういった発達障害の重複をくわしく知っておくと、発達障害の人の行動や心理がより正確に、よりくわしくみえてきます。

  2. 目次
    第1章 ちょっと自閉スペクトラム症で、ちょっとADHDな人たち
    第2章 発達障害と「ふつう」はどう違うのか
    第3章 発達障害の人が「本当の自分」を知る方法
    第4章 大切なのは「やりたいこと」を探すこと
    第5章 自分が「発達障害かもしれない」と思ったら

 

本田秀夫『自閉症スペクトラム

  1. 内容説明
    臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心・やり方・ペースの維持が最優先―あなたの身の回りにそんな人はいませんか?あるいは、あなた自身そういう自覚がありませんか?自閉症アスペルガー症候群の垣根を取り払い、連続した1つの状態と捉えることで、障害の概念を根本から覆す「自閉症スペクトラム」の考え方が注目されています。10人に1人が潜在的に抱える「生きづらさ」の原因を解明するとともに、早期発見や療育、支援の方法まで、多角的に解説します。

  2. 目次
    第1章 あなたも「自閉症スペクトラム」かもしれない!?
    第2章 特徴から理解する自閉症スペクトラム
    第3章 線引きが難しい自閉症スペクトラムの境界線
    第4章 自閉症スペクトラムの人をいかに支えるか
    第5章 自分が自閉症スペクトラムかもしれないと思ったら…

 

本田秀夫『自閉スペクトラム症の理解と支援』

  1. 内容説明
    自閉スペクトラム症をもつ人をどう支えるか? ライフステージに応じた支援のヒントが満載。本講義を収録したDVD付き。自閉スペクトラム症は、理解されにくい。わかりやすい言葉で特徴を言い表せる同じ発達障害でもあるADHDと比べて、分かりやすく表現することが難しい。本書はこの理解しづらい自閉スペクトラム症を、全く何も知らない初学者でも理解できるように解説する。
    乳幼児期から成人期に至るまでの発達障害をもつ人と二十余年にわたってかかわり続けているという、類を見ないほど幅広い臨床経験を積んできた著者が、実際の経験に基づいた生きた知見とともに、すべてのライフステージをまたいだ自閉スペクトラム症の概観を伝える。

  2. 目次
    自閉スペクトラム症とは?
    自閉症から自閉スペクトラム症
    社会生活で問題になること
    自閉スペクトラム特有の感じ方、考え方
    自閉スペクトラムの人にみられやすい「二次障害」
    生来性の「変異」として理解できる自閉スペクトラム
    支援の考え方:幼児期~思春期
    こだわりへの対応
    早期発見と家族の支援
    集団生活における配慮
    支援の考え方:青年期~成人期
    「二次障害」が出てしまったら
    就労・職業生活の支援

資料編 ~ 必見動画集 ~

本田秀夫「改めて「発達障がい」とは何か考える」

【概要】

発達障害の基本から支援についての考え方、学校におけるインクルージョン、支援者の役割などなど、私たちに必要な知見がたくさん得られます。後半のQAは具体例が豊富で、本校の事例にも生かせるかも。

【トピック】

発達障害とは / 育ち方の4タイプ / 過剰適応 / 支援の専門性とは?/ 社会参加可能性を測る目安 / 自立スキルとソーシャルスキルの両立の鍵 / インクルージョンの理念と教育 / ユニバーサルデザインと合理的配慮 / 支援者の役割 / Q&A

 

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本田秀夫「発達障害の子どもにみられる不登校

【概要】

発達障害の基本的な考え方の具体的な説明や事例などがあり、現状の学校システムや生徒を見る視点についての正しい「インクルージョン」を知ることができる動画です。支援と思ってやっている声掛け等が「配慮」になっていないかもしれない。発達障害不登校を正しく認識するための内容となっています。

【トピック】

発達障害とは / 育ち方の4タイプ / COVID-19と子どもの変化/学校に行きたくなくなる要因は?/不適切な療育/発達障害支援からみた義務教育の問題点/ユニバーサルデザイン/居場所を作る

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八木淳子「子どものトラウマの理解と支援」

【概要】

トラウマインフォームドケアについて、心理状況等を詳しく解説されています。トラウマや愛着障害への理解と有効な治療について、学校現場でトラウマインフォームドの視点を共通でもち、適切なサポートを行うために必要な情報が得られます。

 

【トピック】

なぜ“トラウマに着目”なのか/“ストレス”とは/“トラウマ”とは/PTSD/発達障害を持つ子どもの易トラウマ性/トラウマインフォームド/心理教育/子どものトラウマへの包括的ケア

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高橋知音「学習障害の子どもの理解と支援」

【概要】

 学習障害、書字障害のメカニズムとアセスメントの方法が述べられています。教師側の気づきのきっかけづくりや、診断の意味、合理的配慮の考え方など、後半に質疑応答があり具体例がたくさん語られています。

【トピック】

読み書きのモデルと関連の障害/機能障害を踏まえた支援の例/合理的配慮の具体例/

学習障害や合理的配慮についての質疑応答

 

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