〈叱る依存〉がとまらない 村中直人 (著)

〈叱る依存〉がとまらない 村中直人 (著)

内容:

 本書では、叱る行為の本質や影響について多くの観点が提示されています。叱る行為は、その場の正義を決定する権限を持つ側から行われるものであり、目的は相手を変えることにあります。しかし、この行為は相手にネガティブな感情体験を与え、コントロールすることを目指すものであり、その効果は叱られる側にはないと指摘しています。むしろ、叱る行為が強くなるにつれて、叱られる側の影響も大きくなり、長期的なストレスを引き起こす可能性があります。「叱る」ではなく、「説明する」や「説得する」といった方法で相手に伝えることはできるはず。叱る行為について捉え直すことができる1冊です。

 

目次:
はじめに
 Part 1 「叱る」とはなにか
  1 なぜ人は「叱る」のか?
  2 「叱る」の科学――内側のメカニズムに目を向ける

 Part 2 「叱る」に依存する
  3 叱らずにいられなくなる人たち
  4 「叱らずにいられない」は依存症に似ている
  5 虐待・DV・ハラスメントとのあいだにある低くて薄い壁

 Part 3 〈叱る依存〉は社会の病
  6 なぜ厳罰主義は根強く支持されるのか?
  7 「理不尽に耐える」は美徳なのか?
  8 過ちからの立ち直りが許されないのはなぜか?

 Part 4 〈叱る依存〉におちいらないために
  9 「叱る」を手放すあとがき/〈叱る依存〉をより深く考えるためのブックリスト/注